Snowflakeスタートアップチャレンジ 2025:トップ10の紹介

結婚5年目を祝う際には、伝統として木材を贈ります。スノーボードは芯が木製であることが多く、また、スノーボードはSnowflakeスタートアップチャレンジの伝統的な「トロフィー」です。そのため、このスノーボードトロフィーは、スタートアップチャレンジ5周年の贈り物として最適と言えます。唯一の違いは、この贈り物を受け取るのは私たちではなく、次に挙げるセミファイナリスト10名のいずれかであるということです。
今年のスタートアップチャレンジには、100か国以上から1,000件以上の応募があり、さまざまな技術的イノベーションが集結しました。ご想像どおり、AIが至るところで、さまざまなフォーマットや機能で使用されています。多くのスタートアップ企業が、Snowflake Cortex AIやCortex Agentsを使用しています。また、LLM、拡張検索(RAG)、生成AIなどの興味深い応用も行われています。興味深いことに、農業、セルフサービスアナリティクス、サイバーセキュリティ、公衆衛生モニタリング、バーチャル3Dラボ、サプライチェーンプランニングなど、さまざまなユースケースがあります。
私たちの審査員は、極めて慎重にトップ10を選出しました。今年応募してくださったすべての企業の方々に対して、心より感謝いたします。ここに至るまでの取り組みで直面した困難については十分に理解しています。
Sarah Guoがスタートアップチャレンジの審査員に就任
この度、Convictionの創業者でありマネージングパートナーでもあるSarah Guoが、2025年Snowflakeスタートアップチャレンジの審査員に就任しました。Convictionは、インテリジェントソフトウェア(Software 3.0)企業に投資するために2022年に設立されたベンチャー企業です。
Sarahは、アーリーステージのベンチャーキャピタルでの専門的な経験が認められており、Snowflakeの共同設立者兼製品担当社長であるBenoit Dageville、SnowflakeのCMOであるDenise Persson、NYSE Groupの社長であるLynn Martinといった、その他の審査員と一緒に審査を行います。
審査員は、スタートアップチャレンジの受賞者と最終候補者2名を選出します。この2名には、それぞれ最高100万ドルの投資持分と、Snowflakeによるグローバルなマーケティングエクスポージャー、NYSEによる独占的なメンターシップとビジビリティの機会が与えられます。
ここからは、2025年のSnowflakeスタートアップチャレンジのグランプリ獲得に向けて競い合う企業をご紹介します。
2025年のSnowflakeスタートアップチャレンジセミファイナリスト
Katalyze AI
Katalyze AIは、逸脱予測、原材料管理の最適化、生産効率の向上を実現して、バイオ医薬品メーカーの廃棄物を削減し、市場投入期間を短縮します。SnowflakeネイティブアプリであるDigityze AIは、AI駆動のドキュメントインテリジェンスプラットフォームです。バイオ製造の非構造化ドキュメントを、実用的な構造化データに変換し、ドキュメントライフサイクルを管理します。Digityze AIは、高度なアナリティクスを可能にしてドキュメントの一元管理を実現し、製薬企業のデータサイロの解消とデータ共有の促進を支援します。
KAWA Analytics
デジタルトランスフォーメーションは素晴らしい目標ですが、多くの企業の取り組みはレガシーシステムや非効率的なプロセスによって妨げられています。KAWAは、アナリティクス、自動化、AIエージェントを組み合わせ、企業がデータアプリとAIワークフローを迅速に構築し、デジタルトランスフォーメーションの目標を達成できるよう支援します。KAWAでは、複数のソースにわたって構造化データベースと非構造化データベースを接続し、ノーコードUIまたはPythonを使用して高度な予測分析を実行できます。AIエージェントは、高い透明性とエンタープライズグレードのセキュリティを備えた自動化を実現するために設計されたKAWAのAIネイティブプラットフォームの一部であり、調査、分析、調整などに役立ちます。
Lumilinks
車両を保有するすべての企業は、車両を道路から戻すことが潜在的な損失につながることを知っています。しかも、それが計画外で行われ、その原因が非効率なメンテナンスにある場合は、さらに大きな損失となります。LumilinksのFleetSense AIは、車両オペレーターにすべてを見通す水晶玉を与え、SnowflakeとAIの力を応用して修理請求書の分析、部品の分類、その他の関連データの処理を行えるようにすることで、車両故障の予見、修理戦略の最適化、車両性能の向上の実現を支援します。
Prometheux
Prometheuxは、複雑で分断されたデータ環境において、データからより優れた価値を引き出したいと考えている組織をターゲットとして、断片化されたデータの仮想ナレッジグラフ上で人間とAIがアプリケーションを迅速に構築するためのデータファウンデーションレイヤーを開発しました。このレイヤーでは、元のフォーマットや場所にかかわらず、データを移動することなくさまざまなソースからデータを結合し、ロジックを適用して新しいインサイトを生成できます。ユーザーはデータベースクエリを記述する代わりに、ビジネスコンセプトを定義することでデータを扱えるようになり、ビジネスニーズの変化に応じてインフラストラクチャを大幅に変更することなくデータ構造を再最適化できます。
PTA Robotics
PTA RoboticsのAI駆動のブドウ畑の病害予測システムは、ドローン画像、IoTデータ、気象インサイトを活用して、症状が現れる前にブドウ畑の病害リスクを検出します。手作業による検査や一般的な植物ストレスのみを示す植生指数に依存する従来の方法とは異なり、PTA RoboticsはAIを使用してブドウ畑のストレスの根本原因を特定します。農家は、対象を絞った対策を早期に行えるようになるため、作物の収穫量に大きな影響を与える前に病気を予防できます。SnowflakeのAIインフラストラクチャにより、PTA Roboticsは簡単にスケーリングできます。また、セキュアデータシェアリングを通じて、複数のブドウ園が専有データを保護したままで、病害トレンドについてコラボレーションを実行できます。
Satlyt
Satlytは、宇宙空間での高速かつセキュアなAIドリブン型エッジコンピューティングのために、仮想クラウドで衛星をネットワーク化するソフトウェアプラットフォームを構築しています。これにより、衛星事業者は余剰のコンピュート能力を収益化できるようになります。SatlytはSnowparkコンテナサービスを採用しているため、衛星データ処理用のスケーラブルなAI/MLモデルの構築が可能です。また、衛星オペレーターはSnowflake AI/ML関数を使用することで、高度なアナリティクスと予測インサイトを実行できます。ソフトウェアのみのソリューションであるSatlytは、専有ハードウェアを必要とせず、衛星連携システムを利用して事業者間の統合を促進します。
Sherloq
社内向け生成AIアプリケーションの構築において、データ管理は極めて重要ですが、ほとんどの企業はこの課題を解決できていません。検証済みの信頼できる情報源を構築し、文書の最新の状態を維持することは、非常に多くの手作業を必要とする労力のかかる作業です。Sherloqは、データアナリティクスワークフローの管理と文書化のためのコラボレーションプラットフォームを提供することで、この状況を変えることを目指しています。コラボレーション可能なSQLリポジトリは、すべてのクエリを1か所で実行することを可能にします。これは既存のワークフローに統合されているため、ユーザーはSnowflake上でアドホックなSQL作業を自動的に保存、管理、文書化できます。Sherloqは、Cortex AIおよびCortex Analystと統合することによって、社内向け生成AIアプリにフィードするデータとなり、信頼性の高い結果の実現に貢献できます。
Skidaway (DeepTempo)
Tempoは、Snowflakeネイティブアプリです。DeepTempoのログ言語モデル(LogLM)を使用してお客様のセキュリティ上のペインポイントに対処し、下流のセキュリティ情報とイベント管理(SIEM)に送信される未加工ログの量を減少させることによってコストを削減します。Tempoは、お客様がセキュリティインシデントを特定し、その範囲と重大度を分析するうえで役立ちます。LogLMは、精度を改善し、データ分布が変化した場合に新たな環境への適応力を高められるようにします。このアプリは、膨大な量のセキュリティログを使用して事前にトレーニングされており、特に相対時間と絶対時間などのイベントのパターンに焦点が置かれています。
SoFlo Solar
SoFlo SolarのSolarSyncプラットフォームは、AIデータのリアルタイムのアナリティクスとMLを使用して、パフォーマンスの低い住宅用太陽光発電システムを高稼働のクリーンエネルギー資産に変換し、住宅所有者にコスト削減を提供すると同時に電力会社とグリッドオペレーターに測定可能な価値を提供する、仮想発電所ネットワークを構築します。Snowflakeは、Snowpark for Pythonベースのデータ取り込みパイプラインを使用した家庭用ソーラーテレメトリの処理から、Snowflake Document AIを使用した公共料金の分析や太陽光発電クレジットの不一致の特定まで、このプラットフォームのデータインフラストラクチャをサポートしています。
Winning Variant
皆さんの信条が「早く失敗せよ」と「試して、失敗して、また試せ」のどちらであっても、俊敏性を維持し、顧客の嗜好や市場トレンドの変化に対応するためには、新機能、パイプライン、製品設計を試してみることが肝要です。Winning Variantは、SnowflakeネイティブアプリとしてSnowflakeネイティブの実験プラットフォームを提供し、AIデータクラウド内で直接、革新的な実験を行えるようにします。チームは、サードパーティプラットフォームへのアクセス、センシティブなコンバージョンデータの抽出、必要なデータを得るための複雑なデータパイプラインの構築なしに、Snowflakeにあるデータを使用してリアルタイムで実験を展開し、管理できます。
ラウンド 2:ショートプレゼンテーション
Snowflakeスタートアップチャレンジのラウンド2では、各セミファイナリストが投資家に向けたピッチ動画を提出して審査員との面接に臨み、応募理由、製品と事業戦略、スタートアップチャレンジの優勝者に選ばれた場合の投資の活用方法について話します。
この情報をもとに、審査員が最終候補者3名を決定し、5月に発表します。スタートアップチャレンジ決勝の会場は、6月5日にサンフランシスコで開催されるDev Dayです。この場で最終候補者は審査員に対し、プレゼンテーションを行います。審査員は会場で審議し、2025年の優勝者を決定します。
ぜひ会場を訪れて、お気に入りの最終候補者を応援してください。今すぐDev Dayにご登録ください。開発者がSnowflakeで素晴らしいものを構築できるようにするために用意された、デモ、セッション、エキスパートによるQA、ハンズオンラボを体験できます。
セミファイナリスト10名の皆さん、おめでとうございます。ラウンド2での幸運をお祈りします。